日本が誇る発酵食品を活用した味噌スープテイスティングエクスペリエンスおよび味噌ツーリズムの開発およびグローバル販売導入事業ですが、大変チャレンジングな体験開発ではありましたが当初のファムトリップを通じて様々な課題も浮かび上がりました。醗酵文化は日本に独特のもので、最近の地域課題や産業課題の中でよく話題となる脱炭素やサーキュラーエコノミー対応の中にもみられる通り、フードロスへの対応は待ったなしの状況です。まさに味噌の量り売りも昔からありますし、量り売りは体験としてはほとんどの人がやったことないだろうなと思うので、このあたりもできるような最終的な形で味噌エクスペリエンスというのを考えているわけですね。
味噌は、やはり味噌だけ食べて云々みたいなことじゃなくて組み合わせを使ってどういうサービス展開をご提供できるかっていうことでMaaS(Miso as a Service)と名前で資源開発をやっていこうと思いますし、代表的な言葉は味噌の活動ということでMISOKATSUということにしています。この味噌をご提供いただく田中徳兵衛商店が数百年前の味噌作りから始まって今はみその販売を中心にやっていますが、こちらと連携した埼玉県川口市の事業で共同展開をしました。
田中さんのファミリーが代々お住まいになって、今は川口市に寄贈されている旧田中家邸宅を活用させていただき味噌エクスペリエンスの実証実験に取り組みました。茶室もあれば、日本庭園もある。洋館も和館もあるということで訪問そのものも楽しいということで、最初に現在の当主から味噌づくりの話などをうかがいながら、文化財となっている旧田中家邸の歴史もうかがいました。非常に見所も多い昔のお住まいですね。その後こちらの茶室をお借りして実証実験を実施させていただきました。
現在の茶室はまさに昔味噌蔵であったところで今は味噌醸造そのものはビジネスとして展開しておらず茶室に改造しています。そちらで味噌テイスティングおよび味噌スープのテイスティングを今回は9種類のエリアも違う味噌をご用意していただいてさせていただいて、それぞれ味噌そのものでどんな味か、あるいはそれはスープ状になるとどんな味になるんだろう、みたいなテイスティングをご体験いただきました。この味噌テイスティングとか味噌スープテイスティングは、そんなに経験したことがある人は日本人ですらいないだろうなとというのが最初の声としてあがりましたね。ましてや外国人にはとても珍しい体験の一つとなるでしょうから、これから定着をさせていきたいと思っています。その間、NHK番組でも有名なブレケルオスカルさんによる狭山茶のグリーンティーを振舞っていただく、テイスティングしていただく、というようなことで本格的なお茶も入れていただいて、味噌だけ味わっているときびしいので適宜日本茶を挟むことにも共感を得ることができました。
せっかくなのでその場の体験テイスティングだけではなくて、お帰りになってからも楽しめるようにということで、自分で味噌玉を作ってトリュフ箱に入れてお持ち帰りいただく体験も、この場でやっていただきました。味噌玉作りの実経験ですね。お気に入りの種類を本当は選んだ方がいいのでしょうが、今回は9種類でやりました。乾燥具材もこちらで用意させていただいてそれを自分で握ってもらって味噌玉を作る。当日でもいいんでしょうけれども、できたら翌日以降に自分でお味噌汁として飲んで食べていただく。ご覧になっていただければわかる通り、非常に遊び心を持って体験できますし、味噌がしっかりしているので、何で化粧しても見栄えもいいですし、非常にインスタ映えもするような形で、若い皆さんにも面白がっていただければと思います。自分の味噌玉NFTプロジェクトも水面下で進んでいて、やはり現代的な産業を生み出していくというようなことに繋げていきたいなと思います。
味噌は日本の発酵文化ですけれど、そこに別の日本文化である書道のプログラムも合わせて書道も学ぶと同時に、トリュフボックスの裏側に書道で自分で気に入った言葉を書家に教えてもらいながら書いてみましょうというのも、思ったよりも好評な体験になりました。この体験で、味噌を知る、書を知る、茶を知るみたいな、日本文化モリモリの体験ということでやっていけると思いますので、1粒で3つ美味しいみたいな感じのファムトリップにすることができました。
今回は9種類の味噌を御用意したわけですが、実はこの9種類の味噌をちゃんと用意するっていうのも意外と難しく、味や色も全然違いますし、麦で作ったものもありますし、白、茶色、辛口と、もう様々でした。なので、味噌にも本当に違いがあるんだなと。数百種類があるとのことだったので、とてもじゃないすが1日で経験し切れはしないということですが、やはり味噌について語れることが何か賢さを感じさせるところもあり当社としては、日本人にも外国人にも一押しのプログラムにできるように今からさらに磨き上げていきたいと思います。