創作折り紙発祥の地を中心に形づくる創作折り紙体験プログラムおよび創作折り紙ツーリズムのベーシックプランの開発と販売導入事業は、おそらく日本で初めて折り紙をテーマにしたツーリズム開発ということになるんじゃないかと思います。創作折り紙はなかなかご存知ないかと思いますが、栃木県の上三川町というところで育った吉澤章さんが創作折り紙のスーパージャパニーズにあたる人で、クリエイティブ折り紙の第一人者と言われた人がいるんですね。折り紙ってのは今もう漢字じゃなくてアルファベットでOrigamiということで世界的に通用する言葉になっていますけれども、実際にはこの吉澤さんが、1992年のセルビア万博への出展や海外政府から招聘されて各地で教えたりした活動があって初めて、日本語が英語になったというようなところがあります。あまり知られていない話ですが、吉澤さんの故郷で折り紙のエクスペリエンス構築をすることに意味があると考えて今回の創作折り紙を一緒に創っていく体験プログラムに仕立て上げました。
我々は、Origami as a Service(OaaS)と名付けたコンセプトで、東京大学の折り紙研究会の卒業生たちも創作折り紙を普及させたいということで、今回は体験プログラムに多くのご協力をいただきました。とても紙で作ったとは思えない本人たちが作ったものっていうのもずらっと並んでいますが、やはり普通に鶴を折るとようなことから丸一日かかるものもあり、そんなに簡単なものではないことがよくわかります。ただし教えてくれる人がいると、とてもわかりやすく、台湾や中国の方も含めて8人に大変喜ばれた体験になりました。
今回は、この折り紙をせっかくなので紙だけではなくて、食べ物にも流用できないかというアイデアにもチャレンジしています。自分たちで金魚やお花を折って栃木名物の餃子にして、中身に黒チャーハンと呼ばれる地元の名物を入れて、餃子や春巻きとして揚げ物にしてランチとして食べていただく、というようなことで自分の折り紙の知識をフル活用して自分で作るということにもチャレンジしています。しかも箸置きですら自分で折り紙として作るということで、箸の袋で箸置きを作るという折り紙も即興で体験するしました。外国人がとても喜ぶんですよね。
ユニークな試みとして、今回参加してくれた方に宮大工の女将さんがおり、ヒノキのかんなくずを持ってきていただいて折り紙のようなことができるかどうかということも、実験の一つとしてやらせていただきました。首尾よく折れる手裏剣が人気がありましたね。書道の先生にも参加していただいて、お正月だったこともあるので何か書いて奉納しようということになり、書道の先生にもご指導いただきながら各自かんなくずに今年の目標や新年の意気込みを書いていただきました。
それを近くの白鷺神社(我々は折り紙神社と名付けています)に正式参拝をしてかんなくずで作った折り紙を全員で奉納させていただいたということで、神道の正式参拝の経験としてもとてもいいですし折り紙を奉納するという体験もなかなかのものでした。地元の小学生も授業で勉強する折り紙なので、神社さんにも快く引き受けていただいたわけです。
その他、切り絵と折り紙というのはウォールアートにできるのかとか、あるいは和紙を使った折り紙はどうなんだろう、あるいは折り紙でウォールアートを作りそれを販売するという発想はどうなんだろう。あるいは各地で各地の特徴も併せたような形で折り紙を作っていくっていうのはどうなんだろう、と様々なアイデアが生み出されました。eコマースもそうですし、暗号資産に繋がる話であったり、体験ギフトに繋がる話であったり、様々な議論をまさに今しているところです。ツーリズムに関して言うと、近くに自治医科大学とか日産があるので日産でGT-Rの試乗をすることや、ダ・ヴィンチコンクールを小さい折り紙を折ることで連携するとかなど発想も出てきていますし、栃木県で言うと足利フラワーパークであったり、日光には世界遺産である輪王寺や東照宮などがありますし、焼き物では益子焼も30分も車を走らせれば訪問できるので、ツーリズムそのものも非常に組み合わせの妙がでるかなと感じたファムトリップを行うことができました。