ヤマハ発動機やスズキ、マリン事業で大型・高級化

ヤマハ発動機やスズキなどが船外機やモーターボートなどのマリン事業を拡大している。8日に横浜市で開幕した「ジャパンインターナショナルボートショー2018」ではヤマハ発がモーターボートの旗艦機種を発表した。各社は富裕層などの需要を背景に高級化や大型化を加速。マリン事業は県内に生産拠点が集積しており、メーカーの収益源になっている。

ヤマハ発動機 大型の増産対応を進めており、能力増強も検討

ヤマハ発動機は8日、サロンクルーザーなどと呼ばれる大型のモーターボート「EXULT43」を6月1日から国内で発売すると発表した。全長約15メートルで価格は税抜きで約1億5000万円。国内向けの自社ブランドボートでは最高価格になる。「国内だけでなく、主力の北米や欧州でも大型製品の需要が強い」とヤマハ発動機の臼井博文・執行役員マリン事業本部長は市場環境を説明する。富裕層の需要動向は株価などに連動するとされるが、先月から相場が乱高下するようになっても「引き続き好調」という。
主力製品の船外機は2017年12月期に前の期に比べ3%増の30万1千台を出荷した。同社の推定では世界シェアは37%。マリン事業全体では売上高は前の期に比べ9%増の3238億円で、営業利益は同7%増の595億円だった。売上高が1兆円を超える二輪車事業に比べると規模は小さいが、全体の売上高営業利益率が9%だったのに対し、マリン事業は18%を超える高収益事業だ。

ヤマハ発動機は生産能力の増強も検討する。大型船外機を中心とする主力の袋井南工場(袋井市)の一部の中型機種を、ヤマハ熊本プロダクツ(熊本県八代市)に移管するなどして「大型の増産対応を進めており、能力増強も検討する」(臼井事業本部長)という。

スズキは年内に250馬力の新製品を発売する計画

スズキは昨年7月に北米で販売を始めた、同社では最大の350馬力の出力がある船外機「DF350A」や、今年春から国内外で販売するレギュラーガソリンで動く「DF325A」を展示した。スズキにとっても船外機を含む「特機等」部門は高収益事業だ。17年4~12月期の売上高は前年同期比9%増の543億円、営業利益は11%増の99億円だった。日本マリン事業協会によると、17年の国内メーカーの船外機とモーターボートの出荷額(速報値、輸出含む)は前年比4%増の1926億円で、リーマン・ショック前の07年の水準を超えた。スズキは豊川工場(愛知県豊川市)で40馬力以上の船外機を生産しているが、5月に湖西工場(湖西市)に移管する。ホンダは細江船外機工場(浜松市)が主力工場で、年内に250馬力の新製品を発売する計画だ。

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