オーロラを目の前に、自分たちの生命に想いを馳せる

神秘的なオーロラと新年の幕開けを

神秘的なオーロラで2015年の幕開けと静寂な森に包まれたロッジで初日の出を見ることができるツアー「アラスカ・フェアバンクスでの年越しオーロラ鑑賞 8日間」。

フェアバンクスは「オーロラ・オーバル」と呼ばれる、北極点を取り巻く環状の地域内に位置し、オーロラ鑑賞に最適な場所だ。
今回のツアーでは、贅沢にもロッジでのカウントダウン花火を楽しんだ後に、夜空に幻想的に広がるさまざまなオーロラを存分に鑑賞することができる。

他にも、氷の芸術品を集めたアイス・ミュージアムや、迫力満載の犬ぞり体験など、アラスカならではの冬の楽しみを満喫できるツアーになっている。

そんな、人々を魅力して止まないオーロラについて、オーロラ研究の第一人者である上出洋介氏に、その魅力を伺った。

はじめはフェアバンクスに

「オーロラの原因は太陽にあるにもかかわらず、太陽とは完全に逆方向の真夜中で最も活発です。
こんな簡単な問題の答えが分からない。
若い諸君、この簡単な問題をどうか解決してください」

上出氏が小学校高学年から中学生当時、「国際地球観測年」という国際プロジェクトが進められていた。
新聞には連日オーロラを含め宇宙や極地現象のことが載り、あるときこの南極観測隊長の言葉を読んだことが、オーロラ研究の道に進もうと決心した瞬間だったという。
後に上出氏が『オーロラの中を流れる電流の研究』で学位を取り、最初に就職したのが、なんとフェアバンクスにあるアラスカ大学だった。

ひとつ見たら別のオーロラが見たくなる

フェアバンクスは統計的にオーロラが最も多く発生する「オーロラベルト」の下に位置し、かつ比較的容易に飛行機で到達できる、数少ないオーロラ銀座のひとつだ。
そこで毎日のようにオーロラに出会ってきた上出氏は、フェアバンクスを中心として、東西南北それぞれの方向で特徴のある見事なオーロラが期待できると言う。

上出氏:
オーロラの魅力は、その幻想的な色と形、そして妖艶な動きにあります。
オーロラは地球上で見られる最も美しく、神秘的な自然現象です。

 

「ひとつ見たら別のオーロラが見たくなるんです」と話していたのが印象的だった。
これまでに数多くのオーロラを見てきたが、ひとつとして同じオーロラはないと言う上出氏に、強いて最高のオーロラを聞いた。

上出氏:
あえて言うなら、ブレークアップタイプのオーロラでしょうか。
それまで静かにしていた淡いオーロラの1点から突然光が吹き出し、あっという間に全天に広がるタイプのものです。
特に、それが自分の真上で起こったときは、体中をパルスが走り、言葉にならない感動を得られます。

 

実は、このブレークアップタイプのオーロラは5時間に1回程度の割合で発生しているという。
しかし、自分がすでにいる地上の1点からは、遭遇する確率がぐんと低くなる特別なオーロラで、人生観が変わってしまう人もいるそうだ。
もしこのブレークアップタイプのオーロラを見ることができたら、5倍のツアー代金を払ってもいいくらいだとか。

オーロラを前にすると、思わず研究者であることを忘れてしまう

研究者である上出氏でも、オーロラを目の前にすると研究のことを忘れて、あたかもオーロラと対話しているような感覚になるという。

上出氏:
オーロラは、地球が大気と磁場を持っているから発生することが分かってきました。
この2つのバリアーに守られて、私たち生命がこの地球に生まれたことを思うと、オーロラは「生命の灯」のように感じます。
オーロラを目の前にして、自分たち生命の宇宙での立場を思う。
これ以上の贅沢は他にありますか。

長年オーロラを研究してきた上出氏のこの言葉には、オーロラの魅力の全てが詰まっているように感じられた。

 

  • アラスカ・フェアバンクスでの年越しオーロラ鑑賞 8日間

上出 洋介1943年、北海道生まれ。
東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(理学博士)の後渡米。
アラスカ大学地球物理研究所、コロラド大学環境科学研究所、米国立宇宙環境研究所などを経て、1992年より名古屋大学太陽地球環境研究所教授(1999年より2005年まで同所長)。
2008年より2010年まで京都大学生存圏研究所特任教授。現在は、名古屋大学名誉教授、りくべつ宇宙地球科学館館長。
専門は、宇宙空間物理学。特にオーロラ、磁気嵐など、太陽地球系現象のモデリング。

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